上毛野はにわの里公園_保渡田古墳群とかみつけの里博物館

博物館

二度見する雄大さ―高崎市、上毛野はにわの里公園

●施設概要
高崎市井出町と保渡田町にまたがる公園で、保渡田古墳群とかみつけの里博物館が
整備されています。【公園】  無料で誰でも利用できます。【かみつけの里博物館】

  • 所在地:高崎市井出町1514
  • 電話:027-373-8880
  • 交通:関越自動車道前橋ICから車で15分
    JR高崎駅から群馬バスしんとう温泉・榛東村役場行き、秋葉前下車徒歩5分
  • 開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
    八幡塚古墳の石棺展示室は9:30~16:30(博物館休館日は閉鎖)
  • 休館日:毎週火曜日(ただし、火曜日が祝日・振替休日の場合は開館、翌水曜日休館)
    年末年始(12/28~1/4)、祝日の翌日
    *その他、臨時休館日あり。博物館公式HP「かみつけカレンダー」
    にてご確認ください。
  • 料金:大人200円、団体(20名以上)160円、大学生・高校生100円、
    団体(20名以上)80円。   *特別展の場合、別料金となります。

 

保渡田古墳群

榛名山東南麓の井野川上流域にある3基の前方後円墳の総称です。
5世紀後半から6世紀初頭にかけて、井出二子山古墳→八幡塚古墳→薬師塚古墳の順に造られました。全長100mクラスの前方後円墳が隣接して築かれているのは全国的にもまれであるため、
昭和60(1985)年に国指定史跡になりました。

 

井出二子山古墳

全長108m、高さ8mの前方後円墳です。外面に芝を貼って保存されています。
周堀に「中島」と呼ばれる、直径18mの円墳状施設が4基あり、祭祀(注1)を行ったと推定されています。
後円部中央に、調査後に埋め戻された舟形石棺を写真パネルで展示しています。
博物館から井出二子山古墳へ向かう道の途中で、「こわい顔のはにわ」というものが古墳を守っています。
しかし、私には、どうしてもかわいく見えて仕方がありません。
製作者の人柄を反映しているのでしょうか。

注1祭祀とは、感謝や祈り、慰霊のために神仏や祖先をまつる行為のこと。この時代
では、豊作の願いや感謝のために行われたのかもしれません。

 

八幡塚古墳

全長96m、高さ6mの前方後円墳です。墳丘は3段で、表面に葺石が施されています。
段の間には平坦なテラスがあり、赤茶色の円筒埴輪が並んでいます。

井出二子山古墳と同様、周堀に4基の中島があります。

前方の外側の内堤部分に、人物・動物埴輪が54体、配置・向きを忠実に再現して並べられています。これらは、5世紀の人物・動物埴輪で最も典型的とされています。
猪や鹿、鶏など、どれもかなりかわいいです。

公園入口から古墳の方へ向かって歩いていくと、最初に鹿のお尻が目に入ってくるような配置になっています。
後円部に展示施設があり、階段を降りると展示室になっていて、舟形石棺を見ることができます。かみつけの里博物館の休館日は閉鎖されているため、ご注意ください。
この八幡塚古墳は、葺石とテラスが設置されているため、かなり壮観で、初めて車で通りかかったときは、思わず二度見してしまいました。

 

薬師塚古墳

全長105m、高さ6mの前方後円墳で、西光寺の境内にあります。他の2基とは違い、復元整備されていません。
そのため、3基それぞれ異なる状態を見ることができます。

かみつけの里博物館

井出二子山古墳に隣接する博物館です。
みなさんは、博物館と聞くと、有名建築家が設計したりっぱな建物が浮かぶ方もいると思いますが、この博物館は、周囲の景観を邪魔しない、小さくてシンプルな建物です。
建物は小さいですが、資料は充実しており、保渡田古墳群についてわかりやすく説明されています。

展示室には、三ツ寺1遺跡、保渡田古墳群の3基の古墳、豪族が支配した農村の風景の模型が展示されています。
これらは、発掘調査の成果をもとに忠実に再現されています。
保渡田古墳群に葬られている豪族が住んでいた居館、豪族に従っていた農民たちの村、田や畑、そして川の対岸には渡来人たちが住んでいた場所があります。
渡来人たちは、朝鮮半島からやってきた人々で、技師としてこの地域に関わっていて、馬の飼育も行っていたと考えられています。

人物や動物の埴輪も、たくさん展示されています。
榛名山と古墳群の雄大な景観を楽しんでから、博物館で時代背景や特色を詳しく知ることで、この地域にこのような素晴らしい文化があったのだということがわかり、私は、遺跡のことをもっと学んでみたいと思うようになりました。
なお、10月上旬頃までは、井出二子山古墳のまわりにいっぱいのコスモスも楽しめます。
9月下旬の頃は、まだ2分咲きくらいでした。

埴輪については、次回お話します。

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