ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント_ 東京都美術館パート1

博物館

2021年10月上旬、曇天の平日に「ゴッホ展」に行ってきました。

東京都美術館
ゴッホ展          <糸杉>の傑作、来日
響きあう魂 ヘレーネとフィンセント
Collecting Van Gogh
開催期間:2021.9.18~2021.12.12

今回の企画展では、ゴッホ作品の世界最大の個人収集家として名高い、ヘレーネ・クレラー・ミュラー(1869年~1939年)のコレクションから、ゴッホの絵画28点と素描・版画20点を展示しています。
また、ミレー、ルノワール、ピサロ、スーラ、ルドン、モンドリアンらの絵画も展示しています。
更に、アムステルダムのファン・ゴッホ美術館から、「黄色い家(通り)」を含む4点も展示しています。
ファン・ゴッホ美術館は、ゴッホの弟テオの一家が所有していたゴッホのコレクションを中心とする美術館です。

企画展の構成は、次のようになっています。

Section1 芸術に魅せられて:ヘレーネ・クレラー・ミュラー、収集家、クレラー・ミュラー美術館の創立者

Section2 ヘレーネの愛した芸術家たち:写実主義からキュビスムまで

Section3 ファン・ゴッホを収集する

  1. 素描家ファン・ゴッホ、オランダ時代
  2. 画家ファン・ゴッホ、オランダ時代
  3. 画家ファン・ゴッホ、フランス時代
    ①パリ
    ②アルル
    ③サン=レミとオーヴェール=シュル=オワーズ

Section4 ファン・ゴッホ美術館のファン・ゴッホ家コレクション:オランダにあるもう一つの素晴らしいコレクション

それでは、一つ一つ見ていきます。

Section1 芸術に魅せられて:ヘレーネ・クレラー・ミュラー、収集家、クレラー・ミュラー美術館の創立者

ここでは、収集家としてのヘレーネの功績について展示しています。

『ヘレーネは、ゴッホがまだ評価の途上にあった1908年からおよそ20年で、鉄鉱業と海運業で財をなした夫アントンと大に、90点を超える油彩画と約180点の素描・版画を収集しました。
ゴッホの芸術に深い精神性を見出したヘレーネは、その感動を多くの人々と分かち合うべく、生涯にわたり美術館の設立に情熱を注ぎました。』(東京都美術館公式ホームページより)

そして、1938年、オランダのホーヘ・フェルウェ国立公園内にクレラー・ミュラー美術館が開館しました。

Section2 ヘレーネの愛した芸術家たち:写実主義からキュビスムまで

ここでは、クレラー・ミュラー美術館のコレクションの中から、ゴッホ以外の画家による作品を18点展示・紹介しています。

1.ジャン=フランソワ・ミレー「グリュシー村のはずれ」
風景画で、画面の左3分の1以上を使って2階建ての農民の家が描かれ、その周辺に3羽の白いガチョウ、眼前に広がる海を眺める2人の親子らしい人物と木が描かれています。

2.ウィレム・ルーロフス「小屋」

3. パウル・ヨセフ・コンスタンティン・ハブリエル「それは遠くからやって来る」
先にタイトルを見て、一瞬、コワイものが頭に浮かんでしまいましたが・・・

 

メイ
メイ

大丈夫です、それ=機関車です。

4.アンリ・ファンタン=ラトゥール「静物(プリムローズ、洋梨、ザクロ)」

 

メイ
メイ

別人なのね

ルーヴル美術館が所蔵している「いかさま師」のジョルジュ・ド・ラ・トゥールとは別人です。
アンリ・ファンタン=ラトゥールは、ギュスターヴ・クールベから指導を受けた、写実主義の画家で、静物画を多く残したそうです。

5. ピエール=オーギュスト・ルノワール「カフェにて」

6.カミーユ・ピサロ「2月、日の出、バザンクール」
私は、この企画展を訪れる前に、ピサロは、印象派のメンバーの中では年長で、温厚な人柄で、他の画家たち、とくにセザンヌから慕われたという情報を耳にしました。そうした予備知識をもってこの作品を見ると、画家の人柄が表われているような、優しい光に満ちた風景がに見えました。

7.ジョルジュ・スーラ「ポール=アン=ベッサンの日曜日」

メイ
メイ

 日曜日が好きなの?

「グランド・ジャット島の日曜日の午後」で有名なスーラの点描の作品です。
桟橋を描いた風景画なのですが、人が一人もいないのは、日曜日だから仕事が休みだということを絵で表現しているのかなと思いました。

8. ポール・シニャック「ポルトリューの灯台、作品183」
スーラと同じ点描で有名な画家ですが、スーラ作品よりも点が大きく、わかりやすいです。

9. ヤン・トーロップ「版画愛好家(アーヒディウス・ティメルマン博士)」

10. アンリ・ヴァン・ド・ヴェルド「黄昏」

11. ヨハン・トルン・プリッケル「花嫁」

12. オディロン・ルドン「キュクロプス」

13. ジェームズ・アンソール「キャベツのある静物」

メイ
メイ

ふしぎな絵です。

一目見て、明るい色彩の絵です。
左上と右上を手で隠して見ると、普通の静物画です。
左上のカーテンの隙間から、青いハットと青い眉毛と目の男が顔を斜めに突き出してテーブルの上を見ています。
右上には人形があるのですが、太っていてニカッと笑っていて、かわいらしいとは言えないような…。
見る人によって、さまざまなストーリーを付けられそうな、自由な絵です。

14.ファン・グリス「トランプ札とサイフォン瓶」
ここから、しばらくキュビスムや抽象画が続きますが、この作品は、対象物が原型を留めているため、比較的、何が描かれているのかわかりやすいといえるでしょう。

15.ジョルジュ・ブラック「菱形の中の静物」
ピカソと並ぶ、キュビスムの代表的な画家です。

16. ジーノ・セヴェリーニ「ギターのある静物」
楽譜、ギター、音符などが描かれていることがわかります。

17. ピート・モンドリアン「グリッドのあるコンポジション5:菱形、色彩のコンポジション」

メイ
メイ

ごめんなさい!四角にしか見えません。

18. バート・ファン・デル・レック「種まく人」
ゴッホの「種まく人」を、幾何学的な要素を用いて表現しています。
太ももの大きな台形が、躍動感や生命力を感じさせます。

東京都美術館パート2 につづく

コメント

タイトルとURLをコピーしました