学芸員資格の取り方_Part2

学芸員資格

学芸員資格の取り方_Part2

Part1で述べた、博物館実習について少し詳しく書きたいと思います。

実習は6日間で、そのうち2日間が学内博物館での実習で、4日間は校舎内での講義になります。
時間は、各日、9時~17時までで、進行状況によっては、延長になったこともありました。

内容は以下のとおりです。

1. 博物館実習ガイダンス
2. 資料の収集と管理
3. 展覧会の企画
4. 展覧会の運営
5. 展示設計
6. 美術資料の取り扱い
7. 考古資料の取り扱い
8. 民俗資料の検討と民俗調査の実践
9. 保存科学
10. 資料の修理・修復
11. 博物館教育の理論と実習

このうち、展示設計、美術資料の取り扱い、考古資料資料の取り扱いが博物館での実習で、それ以外は校舎内での講義です。

講義といっても、講師の先生のお話を聴いているだけではなく、課題を与えられて、7~8人のグ
ループで話し合い、代表が発表するというグループワークが多かったです。
キャプションの製作もありました。

私がもっとも苦戦したのは、資料の修理・修復でした。

この実習では、紙資料の虫孔の修復と、和書(袋とじ本)の製本の実技があり、この製本作業が大変でした。各自で、表紙にする千代紙を選び、和紙を本のページの形に折って中に挟み込み、針と糸を使って袋とじにし、表紙の紙を貼って完成です。

お恥ずかしいかぎりですが、私は昔から、超が付く程の不器用で、裁縫がまったくダメで、目も悪いため、針に糸を通すところから大苦戦でした。
隣の席に座っていた若い女性の受講生の方にたくさん助けていただき、迷惑をかけてしまいました。私のせいで帰るのが遅くなってしまったのにもかかわらず、彼女は一瞬もイヤな顔を見せることなく、その後も最終日まで、一緒に楽しく実習に参加することができました。
とても感謝しています。

展示設計は、グループに分かれて、展示案の図面を書き、与えられたスペースで、実際に絵画作品と彫刻作品を使った展示を行い、照明を取り付けて、発表を行いました。

博物館での勤務経験がある方はよくご存じのことと思いますが、脚立を使用しての作業が多いので、高所が得意でない方は、注意が必要です。講師の先生(おそらく60代)が、地上を歩くように
素早く上り下りする様子を見て、驚きと尊敬の気持ちでいっぱいになりました。

美術資料の取り扱いは、掛軸と巻物の取り扱い方法について説明を受けたあとに、実際に各自で行いました。
考古資料の取り扱いは、縄文土器の取り扱い方法について説明を受けたあとに、2人1組で土器の梱包を行いました。
私は、小型で丸い形の土器を選んだため、それほど苦労なくできましたが、大型の土器や長い形の土器を選んだ方は、梱包材の巻き方に苦労していました。
土器は本物を使わせていただいたので、緊張しました。

簡単な説明ですが、以上が6日間の実習の内容です。

参加してみて、用意すれば良かったと思った物は、次のとおりです。

1. 眼鏡
2. 針の糸通し
3. 服装:ボタンの無いトップス(セーターやトレーナーなど季節に応じて)

眼鏡と針の糸通しがあれば、他人に迷惑をかけずに製本作業を行うことができました(気付くのが遅すぎました、ゴメンなさい)。

トップスについては、私は、実習の前半、前ボタン有りのカーディガンを着て参加していたのですが、講師の先生から、前ボタンがあると、資料に傷が付くおそれがあるので、博物館実習のときは前ボタン無しの服装で参加するようにとの注意があったので、西友でセーターを購入しました。

ボトムスについては、博物館では動きやすい服装が必須であることを知っていたため、ズボンをはいていたので、問題ありませんでした。

そのほか、爪が長い人は注意を受けていました

逆に、持って行って良かった物は、次のとおりです。
1. 防寒着:ショートブーツ、ダウンコート等(冬限定)
2. 斜めがけショルダーバッグ

私の場合は、冬の実習に参加したので防寒着が役に立ちましたが、夏の実習に参加する方は、水分補給用の水筒や汗拭き用のタオル、日焼け止めなどが必要なるかもしれません
同じ大学の夏の実習に参加した人から、熱中症になりかけたという話を聞きました。

大学側の、実習に関する説明は、どうやら現役世代を想定して作成されているようで、先ほど述べた、脚立のことや、裁縫のことなど、参加される方ご自身の体調や適性を考えてご用意された方が良いかと思います。

私の場合、地方在住のため、スクーリングに通えなかったので、地元の歴史民俗資料館や歴史系博物館に通い倒し、講座や、学芸員のギャラリートークに参加したりして、レポートに役立てました。

最近、社会人になってからや、定年後に、大学に戻って学ぶ方が増えているようです。
私は、数十年ぶりにキャンパスで学ばせてもらい、良い思い出になりました。
資格を取得するだけでなく、いつもと違った環境で、様々な年代、様々な地域から集まった人たちと
一定期間、一緒に協力し合いながら学べたことは一生の財産になりました。
何より、楽しかったです。

私個人の経験なので、大学によって違いがあるとは思いますが、文部科学省が学習内容を定めているので、大きな差はないと思います。

メイ
メイ

これから勉強される方の参考に少しでもなれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました